レッスン

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部屋を出て、車に乗り込む。 「今回も頑張らなくちゃって思って、楽しくなかった?」 「ううん。いつの間にか夢中になってた。スグにいっちゃわないようには頑張ったけど。」 「ふふ。女性を気持ち良くしてあげようというサービス精神はとても大切よ。でもやっぱりHもコミュニケーションの一つなのよ。お互いが求めあえば、自然と快感は増幅する。それは快楽だけではなくて、たとえ、かりそめの恋人だとしても、その人を愛しいと思わなければ、ただの行為でしかなくなってしまって、残るのは倦怠感や虚無感だけだわ。チャンスがあれば色々な人と・・・って思いがちだし、それをカサに着ている人もいるけど、結局それは人間を使った自慰でしかないのよ。」 「なんか・・・深いね」 「大切なのは、したいからするって言うことより、その人だからしたいって気持ち。そういう相手とは、ただ寄り添っているだけで幸せな気持ちになるでしょ?それに付加するのがH。Hありきだと思ってると、痛い目に会うわよ。」 「はい。胆に命じます。」 「ふふっ。よろしい。」 二人でクスクス笑っているうちに、待ち合わせをした駐車場についた。 「あまり時間がないから、お茶も飲めなかったわね。今日はありがとう。」 「こっちこそ、わざわざ時間取ってくれてありがとう。また、いつか逢えるかな?」 「そうね・・・難しいとは思うけど・・・機会があれば。じゃあ行くわ。」 ミレイは車から下りると、自分の車に乗り込んだ。 そして、チラリと僕を見て笑みを浮かべると、何もなかったかのように車を走らせ駐車場を後にした。 僕はシートを倒し伸びをした。 ミレイの残り香が現実であった事を実感させているけれど、まるでリアルな夢を見たような気分だった・・・ おわり。
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