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僕と目が合った瞬間苦い顔もしなかった竜貴…。
それがどんなに胸に刺さったことか。
竜貴には分からないだろう。
それで、この質問もいつもと同じ答え…。
「あぁ~、こいつは――
その先を言わないでと刹那に願う。
でもそれはいつもあっさり裏切られて…。
―――友達」
ほらね…。
お前はどうしていつも平気な顔でそんなことが言えるの?
その答えはすぐにわかった。
「ふ~ん。なぁんだ!てっきり僕以外に“恋人”がいるのかと思っちゃった~」
僕…“以外”
なんだ。
新しい恋人出来たんだね。
僕の目から光が消える。
「ねぇ竜貴…。今日が何の日か覚えてる?」
「あ?今日?何の日だっけ?つか今日って普通の金曜日じゃね?」
バーカ…。
僕の“誕生日”だよ…。
お前が、毎年祝ってくれるって約束したんじゃん…。
なのに…。
「新しい恋人に夢中すぎて僕との約束も忘れちゃったんだ…」
「え…壱瑠?」
「僕、今日楽しみにしてたのになぁ…。バッカみたい…」
神様、神様…ごめんなさい。
もう少しだけ言わせて…。
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