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なんて説明するべきか悩めばしばらくして少女は笑う
「ふふっ…まだ知らない事いっぱいだね。
ねぇ、その後は?どうなったの?」
「あぁ、いや、その後は全力ダッシュで逃げてきた」
「だっしゅ?」
「あー走り回ること?」
少女とのやり取りは少なからず俺の頭を良くしてくれる気がしていた。
気がするだけで、実際合ってるかは解らないが、まぁ、支障はないだろう
俺が今生き延びていることを証明として、俺に教わった事が多い彼女は、世界で生き延びていける。
これは勧だが
「フラックはすごいんだね!走り回って、拳銃を倒しちゃうなんて!」
前言撤回。生き延びられるか不安になってきた
「ま、まぁ、お前ならいけるだろ」
根拠はないがもう説明がうまく出来ない。
顔を合わせる度に単細胞バカだのミジンコ脳みそだの言ってくる相方に少し納得する
…少しだけな!
だから俺はまた相方に言われれば否定を繰り返すだろうし、今後認めることはない。
これは断言する
「ねぇ、フラック」
むかつく相方を思い出していた俺に少女の声が聞こえる
「次はどんなお話してくれるの?」
月明かりが雲の隙間から溢れ出してきた。
俺は少女の声に対して、まず座り直す。
長時間木の上に座っていたので、そろそろ尻が限界だったのだ
俺はそのまま月明かりに照らされても見えない少女の顔を見つめながら、次の話を紡ぎ出す
童話でもない、伝説でもない
自分が経験してきた過去の話
「そーだなー。次はステンドグラスのおっサンの話でもするか―――――
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