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O's本部・司令室にて
「喋るステンドグラス…ねぇ」
何枚にもまとめられた報告書をペラペラめくる彼。
軍隊のようで、だがどこかに気品のある服装。
金髪な女性眼鏡秘書が隣に立ち、高級そうな黒イスに腰掛けている
手で顎を支えゆるい雰囲気を持っているが多分偉い人間なのだろう。
「は。ですが、町の数人が見たと言うだけで、調査派遣員も姿を捕えておりません。
O's(オッズ)である可能性は低いかと思われ、お言葉ですがこれ以上の派遣は」
「君さぁ、」
派遣員の一人が報告をしていると、話の途中で彼は言った。
「ここに来て、まだそんなに経ってないの?」
欠伸をしながらの彼に秘書が冷淡に言った
「マルクス・ドグホープ。21。ここ3か月程です。」
「21かぁ、まだまだこれからだねぇ。3か月で、派遣リーダーな実績も大したものだ。」
「あっ、ありがとうございます!!」
マルクスが褒められたと喜びの声をあげると、それを突き落とすが如く言った
「一つ質問してもいいかな?君はO'sを知っているかい?」
「魔力の源でできた宝石で、12こ集めると願いが叶うと」
「そうだ。集めた者の本当に願っていることを叶える。たった1つだけね。」緊張ぎみのマルクスの返答をまたも最後まで聞かず、話始める
「誰もが幻想だと、信じただろうね。
集めるだけで願いが叶っちゃうんだから。これはもはやどこかの何とかボールだよ!あはは」
冗談を言うが周りの雰囲気がとてもそんなものではなかったので、咳払いでごまかす
「こほん…12年前、伝承でしかなかったO's は発見された。
12個全てね。
強欲者は我先にと手を伸ばしたよ。
それは町も国も世界も犠牲にしてね。
いわゆる”戦争”だ。
表向きには、アッシュ・ミラーという一人の男が手に入れ、今の豊かな世界が作られたと言われている。
でもね、彼は喰われてしまったんだよ。
肉体も魂も心も…O's に」
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