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「へー、変わってんなァ」
「そう……かな?」
「ああ、変わってる。めっちゃ変わってる。すっげー変わってる」
「いやいや、そんなに変わってないでしょ。雨が好きな人って結構いると思うよ」
窓から雨を見ていたダイドが大股で、テーブルまで戻ってくる。自分の部屋であるかのように、ドサッと座った。
「まぁ、雨が好きとか嫌いとかはどうでもいいとして」
「酷いね。自分から雨の話をし出したのに」
「細けぇことは気にするなよなァ。ていうか、お前さん訊いたのか?」
唐突なダイドに問いに、アベルは何がなんだが分からず首を傾げる。
「ホンットに鈍感大魔王だな、お前さんは。ルージュ先輩のことだよ」
ルージュ先輩と言われ、やっとダイドの問いの意味が分かった。
アベルは羽ペンを置き、ソファーに深く腰掛けた。
「なんどもさ、シセル会長にそれとなく訊こうとしたんだけど、駄目だったよ。あの人が一人になることって少ないんじゃないかな」
「訊いてねぇのかよォ、俺が手伝ってやろうか?」
「うーん、ダイドが手伝ったら悲惨なことになりそうだよね」
不思議なことに、その予感は当たりそうな気がする。百パーセントの確率で。
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