第四章 極東の双刀使い

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「誰かな?」  来客の予定はダイド以外ないはず。なら、学校の先生か寮官だろうと踏んで、アベルは立ち上がる。 「多分ユンちゃんだなァ」  ダイドがポツリと言った。  アベルはなんでユンフェミアが? と疑問に思いながらも玄関口に歩く。ドアを開けるとそこには確かにユンフェミアがいた。  教科書類を持っているところを見ると、ユンフェミアも宿題をしにきたのだろうか?  ――でも、なんでわざわざ僕の部屋に? 「こんにちは、アベル君。入ってもいいかしら?」 「え、ああ、どうぞ」  まるで入ることが当たり前のように、ユンフェミアが部屋に入っていく。  その後ろ姿を眺めたまま、首を捻ってしまう。 「おーい、アベル。さっさと来いよ」  ダイドに呼ばれ、部屋の奥に進むと既にユンフェミアは教科書を広げていた。 「ユンちゃんはな、俺が呼んだんだよ。ちょっと話したいことがあるしなァ」  部屋の主の了承を取らずに、勝手に他の人を呼んだダイドの不躾さに呆れる。  が、いまさらそんなことを言ってもしょうがないと自己解決し、アベルはダイドに尋ねる。 「話したいことって?」 「まぁ、話の主旨はお前さんのことなんだよなァ」 「僕?」 「そう。貴方よ、アベル君」
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