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「僕の何を話すの?」
「話すべきことは二つあるわ。まず一つ目はレグルのことよ」
「あいつさ、ランク付けの時お前さんにこの学校から追い出すみたいなこと言ったんだろ?」
アベルが頷くと、ユンフェミアは大きく嘆息した。
「貴方は楽観視してるようだけどね。レグルが追い出すといったら、どんな手を使ってでも追い出そうとするわよ。さしずめ、今は準備期間といったところかしらね」
「レグルは貴族の中でも身分差別が酷いと言われてるからなァ。貴族でもねぇお前さんはマジヤバいぜ」
ユンフェミアとダイドが、忠告する内容は解った。だが、もうどうしようもない。
レグルを怒らせたのは変えられない事実だし、許してもらおうとも思っていない。
しかし、アベルが学校を辞めさせられるわけがない。シセルの話が真実だと仮定するなら、アベルが編入した本当の理由を知っている校長や理事長が追い出すわけないのだ。
それを二人に説明することはできない。
アベルは二人に調子を合わせることにした。
「だったらどうしたらいいかな?」
「最善は貴方がレグルに謝ることよ。土下座でもなんでもして、許してもらうのが一番いいわ」
「えっ?」
レグルに土下座をするなど屈辱以外の何物でもない。
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