第四章 極東の双刀使い

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「あくまで最善はよ。公衆面前で土下座すれば、レグルは許すと思うわよ」  レグルに土下座をするというだけで屈辱的なのに、しまいには公衆面前でしないといけないらしい。  プライドが消え去っても、そんなことしたくない。  ダイドがうへーと顔をしかめた。 「俺だったら絶対したくねぇな、土下座なんてよォ。しかもレグルにだぜ? 最悪だよなァ」 「僕だってしたくないよ」 「じゃあ次に許してもらえる確率があるのは、明日から誠心誠意謝り続けることね。まだ可能性がある方法よ」  どうやら、アベルにはどのような形であれ『謝る』しか選択肢がないようだ。  羽ペンを動かして、土下座の欄にバツをつけるユンフェミアに、アベルは溜め息混じりに言った。 「謝るしか許してもらう選択肢がないっていうなら、僕は許してもらえなくていいよ。元々、僕は悪いことなんてしてないし」  そう言い切った途端、ダイドが嬉しそうに笑った。 「おぉ! よく言ったなァ、アベル。賭けは俺の勝ちだぜ、ユンちゃん」  ――賭け? 「アベル君。私は貴方のためを思って言ってるのよ。なんで解ってくれないのかしら? それとも、レグルのことを嘗めてるの?」
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