第四章 極東の双刀使い

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 苛立ったユンフェミアの声に、アベルは思わず極秘の任務について話したくなった。  しかし、かろうじて抑える。  話すべきではない。話せば、巻き込むことになる。  ただユンフェミアを守護すればいい。自分の役割を果たせればそれでいいのだ。  アベルは話を変えることにした。 「レグルについては考えることにするよ。謝るしか選択肢がないにしても、ちょっと考える時間が欲しいんだ。それより、もう一つの話ってなに?」 「まぁ、俺としてはこっちのほうが楽しみだったんだけどな。ユンちゃんはどう?」 「私はどちらも大切だと思うわ。けど、アベル君が時間をくれというならもう一つの話をしましょうか」  勿体振ってるのか知らないが、二人とも何の話なのか明確に教えてくれない。  レグルの件より深刻な話なのだろうか? いや、それにしてはダイドがニヤニヤし過ぎてる。 「ユンフェミア、話って……」 「ねぇ、アベル君」  再度訊こうとしたアベルの言葉を遮り、ユンフェミアが言う。 「貴方は人の恋を真剣に助けようとする気はあるのかしら?」  予想だにしなかった問いに、アベルはえっ? と間抜けな返事をしてしまった。
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