序章

2/2
3人が本棚に入れています
本棚に追加
/14ページ
海に面した都市国家、アルメシア。 ギルドによって統治、管理され、存在するギルドも多種多様を極める。 その中の一つ。 商店地区に存在するギルド「ルクラーレ」。 出来てから日は浅くまだ知名度も低いこのギルドだったが、商店も兼ねるその店先は常に賑わっていた。 普通ならば喜ばしい事なのだが、その理由によってギルド長のため息は尽きない。 「おい!どうして俺の槍がドリルみたいに回ってやがる!」 「スイッチ押したらやかんが爆発したんだけど?!」 「ここで買った魔術唱えたらヘンな物ばっかり出てきたんですけど!」 つまり、大量のクレーム。 アイテムや武器、魔法など、様々な物の開発、改造を請け負うのがルクラーレの目的。 ……なのだが、雇われた職人達は曲者揃い。 おかげでクレームは尽きる事は無く、店先は常に騒がしかった。 加えて言うと、ギルド長であるミリア=クリノアの苦労は増えるばかりである。 「み、皆さん!落ち着いて下さいーッ!」
/14ページ

最初のコメントを投稿しよう!