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そのころ、積もりに積もった怒りは国全体を包みこんでいた。
度重なる戦、重すぎる税金、大切な人を失った怒り、悲しみ、憎しみ……。
その全てはもう抑えられるものでもなかった。
「今こそたちあがり、悪の王女を倒すのだ!!」
「おおおおおおっ!!!!!!!」
烏合の衆をまとめるのは赤き鎧の女剣士、民衆をバックアップする青の国の王子の手助け。
女剣士と青の王子以外は素人も同然。
だけれども、戦で疲れた兵士など、彼らの敵ではなかった。
王宮はついに囲まれ、家臣たちも我こそはと逃げて行く。
王の間に攻め入った赤い女剣士と青の王子は玉座にいる王女に剣を突き立てた。
王女が顔をあげる。
その顔はまぎれもなく、悪の王女と呼ばれる少女。
意志の強い瞳で自らを捕らえに来た者を見据える。
赤い女剣士と青の王子が息を呑んだ。
何かを言う前に、王女が口を開く。
「この無礼者っ!!」
こうして悪の王女は捕らえられた。
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