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私の家族が借りているマンションは、さして広くないのは少し前の章にて記述させてもらった。
3人で住むには丁度良い広さなのはその際に触れさせてもらったが、大した広さでないので我が家には仏間なるものがない。
おかげで困ってしまった出来事が1つあった。
父方の祖父が他界していることは前章をご覧の方ならご存知のことと思う。その祖父が他界して、しばらく経った時の話だ。
霊感、心霊、その他不思議現象をなんら抵抗なく受け入れる我が家族は、それと同様に山神信仰(正式名は知らない。私が勝手にこう呼んでいるだけだ)も混じっている。
例えば、水にお湯を入れてはいけない。家族が誰かひとりでも居ないときはご飯にモノをかけて食べてはいけない等といったことが、日常に染み込んでいるのだ。
もちろん、そんな我が家でご先祖様を祀らないなどもっての外……なのだが、前述の通り、我が家には仏間なるものがない。それどころか仏壇を飾る所がない。まるっきりない。
よって、両親は祀りたい気持ちを泣く泣く諦めていた。
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