守護者のいる家

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 コレは聞いた話なのだが、私がまだ物心つく前、幼い頃の話だ。  母の実家には2階があるのだが、私は泣きながらその階段を指差し「怖いおじちゃんが立ってる」と言ったそうだ。  当然、階段には誰もいない。  そこから先のエピソードが実に母らしいのだが、彼女はこともあろうに泣きじゃくる私を小脇に抱え、件(クダン)の階段へと無理矢理連れて行った。もちろん私は大泣き。ジタバタと手足をばたつかせ嫌がっていたと聞く。  それで「本当なんだ」と納得してくれたのは良いが、数日おきに、彼女は嬉々とした表情で、嫌がる私を小脇に抱え階段へと無理矢理連れて行ったそうだ。  今でもその階段が怖いのは、その時のトラウマじゃないと思いたい。
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