狙われた花嫁

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花嫁は見てしまった 旦那様の後ろに 死神が居ることを… 花嫁には死神が見えた 死神が旦那様の 首に鎌を翳す (止めて…お願い…この方は殺さないで…) 旦那様は石みたいに 動かない (殺してない…安心しろ) 途端に力が抜け (お願い…わたしは この人と暮らしたいの… 元に戻して…) 蚊の鳴くような声で言う (それは出来ない) (どうして…) (俺は死神だからだ) (死神はな幸せが 嫌いなんだよ) (だからって…なんで) (悪いな…花嫁…手荒いが 拐って行くぜ) 近づく…確実に… (嫌…来ないで…) 後ろを向き走り出す その瞬間に 後ろから捕まえて 手で口を塞ぐ (ん――) 花嫁も必死に抵抗する 死神からふわりと 薔薇の香りが漂った (バラ…の…かお…り) 花嫁は眠るように 意識を失った (ごめんな…花嫁) 死神は花嫁を抱えて 闇へと誘った
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