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春の陽気がまだ続く朝であった。
ベランダで朝日を浴びていた俺、瀬川 一樹ーセガワ イツキーは、現在朝の一服を満喫中だ。
やっぱり起きたらまず一本。
吸わなければ、その1日は調子が悪くなっちまう。
その時、部屋の扉が開き、制服にエプロンをした女が入ってきた。
「兄さんっ、起きて下さい♪――って、あーーッ!?また、吸ってるんですか!やめて下さいって言ってるじゃないですか!」
朝からマシンガンのように口うるさく喋り倒しているのは俺の妹、瀬川 彩音ーセガワ アヤネーだ。
「うるせぇよ。吸おうが吸うまいが俺の勝手だろ?」
うるさい妹を一蹴する俺。
「うるさいじゃありません!兄さんはまだ未成年だし、そんなの吸ってたら癌になっちゃうんですよっ!煙草なんてダメです!」
真面目な妹にものすごくイライラする。
俺はコイツが苦手だ。
「チッ……わぁーったよ。これで最後にするから、さっさと出てけ」
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