出会い

4/4
前へ
/8ページ
次へ
今までとは種類が違う殺しかたですが、これはこれで楽しめると考えたのです。 「わかったわかった、殺さないから質問に答えてくれ」 大佐は口元に嫌らしい笑みを浮かべピストルをしまいました。 「…わ、私の前の人がピストルで殺されていったの…怖くなって、隙を見て逃げ出そうとしたら…迷っちゃって、ここに…うっうっう…」 少女はついに泣き崩れてしましました。 まったく…見張りの奴らは一体何をしているんだよ。 そう思いながら大佐はベッドに上がると、彼女を抱きしめて言いました。 「俺の部屋にお前をかくまってやる。だがな、このことがばれたら俺もお前も最後だ、だから静かにしろよ?」 「…えぇ!、ほ…本当に?」 「ここが俺の部屋で命拾いしたな」 彼女は今度大佐を支えにしてすすり泣きました。 人裏切った事も裏切られた事もなさそうな純粋な女の子で、大佐を完全に信じきっているようです。 面白い。 大佐は後に起こる、少女が再び地獄に落ちて泣き叫ぶ姿を想像しては、ぞくぞくしていました。 自分に騙されてたと知った時のこいつの顔はどんなんだろうか、どんな言葉を発するのだろうか。 興味が尽きません。 そして恐らくこの殺し方が一番美しく、一番芸術的で、一番残酷なものと大佐は確信しました。 なぜならこの少女そのものが花のように美しく、自分の芸術という名の虐殺に相応しいと思ったからです。
/8ページ

最初のコメントを投稿しよう!

10人が本棚に入れています
本棚に追加