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リュウジは逃げる事を諦めたのか……一度溜め息を吐くとキョウの顔をやる気の無さそうな目で見ている。
「で……何を手伝うんだ?」
「おっ。流石リュウジ物分かりがいい」
キョウはかなり嬉しいのか、まるで子供のようなワクワクした瞳を輝かせている。
そして、手に持つ招待状をリュウジの目の前に掲げると嬉しそうに喋りだした。
「さっき見せた通り……何とこのキョウ様にも招待状が届いたのだ!!
そこで……リュウジと一緒にこの大騒ぎの真相を追求したいと思う。」
嬉しそうに喋っているキョウを横目にリュウジは冷静な表情で顎に手を当て心配している。
もし……さっきキョウが言っていた事がホントで、ニュースになるぐらい大変なものだとしたら、こんなに危険な事はないからだ……
「でも…もし危険だったらどうするんだ?」
そんなリュウジの心配をよそにチッチッチッと指を揺らしながら「大丈夫だよ」と言うと、更に言葉を続けた……
「いざとなったら逃げるから……
それにさっきリュウジだってバカにしてたじゃん」
「そりゃそうだけど……」
楽観的に考えているキョウを見つめながら、やはり心配なのか、リュウジは頭をかきながら困っている。
そんなリュウジを見てキョウはニヤッと不適に笑う……そして「分かった」と叫ぶとリュウジを指差して口を開いた。
「リュウジ。怖いんだろ~」
それを聞いたリュウジは、キョウに勢いよく飛びつき腕を首に回し力いっぱい締め付けた……
「誰が怖いだ!! あぁ。」
「参った……参った~。ギブだ、ギブ~!!」
キョウは締め付ける腕を叩き、直ぐにギブを宣言した……。
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