~招待状~

5/8
前へ
/39ページ
次へ
 寝起きから暴れたせいか「はぁ……はぁ……」と息を切らし、肩で息をしている。  ダウンしているキョウを横目に「招待状ちょっと見せてみろよ」と言うと……  ダウンしているキョウの手から招待状を取り、招待状に書かれている内容を読み上げている。 「え~と……アナタは選ばれました。 今夜0時に扉が迎えに行きます…… なんだこれ?」 「ごほっ……ごほっ……読んだ通りだ。 0時になると、このキョウ様を迎えに来るらしい。」  キョウは締められていたせいか、喉から言葉が上手く出ず……息苦しそうに喋っている。  リュウジはそんな息苦しそうに喋るキョウの事などお構いなしに「う~ん……この扉って言うのが謎だな」と腕を組みながら考えている。 「そうなんだよ~。 せっかくなんだから……こう……ボン、キュウ、ボンの可愛い子とかが良かったよな~」  キョウは下の鼻を伸ばし馬鹿面を露わにしながら、あらぬ想像している。  そして、暫くするといきなり夢から覚めるような衝撃が頭の上を走った。 ----ゴン!!! 「痛っ……リュウジちゃ~ん何すんだよ」  キョウは涙目でリュウジに訴えかけながら、殴られた場所をさすっている。 「おっ! 現実に戻って来たな。  てか、さっきからちゃん付けするな。ちゃん付け!」 「はいはい……しょうがないな~リュウジ『ちゃん』は」  キョウはワザとらしくリュウジに聞こえるように「ちゃん」を強調してリュウジに返事を返した。  リュウジはそんなワザとらしいキョウの返事に、拳を握りしめ震えている。  そして「キョウ~~」と叫ぶと流星の如くキョウの頭に拳が落ちていった。 ----バコ!!! 「痛っ……も~冗談が通じないんだから」
/39ページ

最初のコメントを投稿しよう!

53人が本棚に入れています
本棚に追加