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ある日の夜のこと。フリーターである男はいつものようにパソコンでアダルトゲームをプレイしていた。画面にはウィンドウが二つ。一つはエロゲー、もう一つはDJ用のソフト。男は毎回ゲームのBGMをなしに設定し、DJ用のソフトで曲を繋げながらプレイしている。いつものように次の曲に繋げようとDJコントローラーに手を伸ばした。タイミングよく再生ボタンを押し、イコライザーとフェーダーを動かしていく。無事繋ぎ終えるとまたエロゲーに戻る。それを繰り返して30分が経過し、男が何気なく耳を休めようとヘッドフォンをはずすと窓の外からディゼルエンジンが唸るような音が響き渡っていることに気付いた。しばらくは無視していたが、30分たっても音が止む気配が無い。仕方なく外の様子を伺おうとするとふと、音が止んだ。不気味に思いながらもカーテンを開けてすぐ右にある窓を覗く。 窓から見えた風景はいつもの住宅以外ではなく、壁だった。どこかの家の壁がいきなり目の前にあるのである。嫌な予感がした。あまりの唐突な出来事に思わず固まり、混乱しながらも部屋の外はどうなっているのかを確認するために部屋の外に出る。男は絶句した。目の前は暗く、長い廊下が続いていたのだ。どこかの日本家屋のようだが襖や扉が一切見当たらず、白い壁に木製の長い廊下がただただ続いている。男はあまりに現実離れした光景に圧倒され、言葉が出てこない。「これは夢だ。何かの見間違いだ。」と自分に言い聞かせ、ベッドにもぐりこむ。それでも寝付こうと粘るがやはり寝付けない。ベッドにもぐりこみ、タブレットで脱出ゲームをやりながら暇をつぶす。しかし、外のあれが気になってゲームが進まない。仕方なくゲームを止め、寝てしまおうとそのまま目を閉じるがなかなか寝付けない。1時間が経ち、遂になかなか寝付けない苦しさに耐え切れなくなった男は好奇心に負け、タブレットと懐中電灯代わりにスマートフォンを持ってドアを開けて再びあの真っ暗な廊下の前に立った。
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