0章 白と黒

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 静寂の中、対峙する白服の男と黒服の男。 辺りに街灯は無く、漆黒に浮かぶ月明かり だけが、その光景を映し出していた。  一時の静寂を破り、白服の男が空に向か って手を掲げると、何もない空間に百本近 くのナイフが宙に出現し、そして黒服の男 に向かって、掲げた手を振り下ろす。手が 振り下ろされた瞬間、空中に浮かんでいた ナイフが一斉に黒服の男へと飛んでゆく。 しかし黒服の男は驚きもせずに刃渡り50 ㎝程の直刀2本を両手に構え、高速で回転 することで、あっさりと全てのナイフを打 ち落とし、間髪置かずに刀から、水流、電 流、大量の棒、火球を次々に白服の男へと 放ち、白服の男の目の前で爆発を起こさせ る。そしてさらに黒服の男は2本の刀を地 面に刺し、白服の男の足元から岩の棘を2 本、左右から挟みこむように出現させ、白 服の男を串刺しにする。  しかし白服の男は、目くらましをものと もせず、尖った岩を軽く跳躍して躱わし、 尖った岩の上に悠然と着地し「そんな小細 工で私に勝てるとでも思ったか!」と爆発 により立ち込める煙を一喝して掻き消す。 が、眼前に黒服の男の姿は無い。しかし白 服の男は冷静に「残念だったな」と言いな がら、垂直に跳び上がり、斜め上後方から 飛んできた2本の刀を避ける。そして、ま たしても百本のナイフを刀が飛んできた方 に出現させ、そして黒服の男の斜め上後方 に数十個の火球を出現させて、2つを同時 に放った。
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