1.幼少時代

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「洋介はほんまなんでも出来る子やなぁ。」 オカンはいつもそうやって俺を褒めた。 だから俺は無理してでも自分でいろんなことをしていた。 オカンの負担を減らすため、そして期待を裏切らないため。 全く苦ではなかった。 父親が昔から俺にはいない。 やけど家に来る男はおる。 それが嫌やって思うことはこの頃はなかった。 ケーキやお菓子、おもちゃを土産に、たまに来てはご機嫌を取る男。 この頃は”ええおじさん”やとしか思ってへんかった。
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