1.幼少時代

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”ええおじさん”が俺の中で”嫌なおじさん”に変わったのは俺がまだ5歳くらいのときやったと思う。 母親1人、子1人で生活しとった俺。 幼稚園や保育園に行く子らがほとんどやけど、俺は行かんかった。 その理由は金がなかったのか、なんなのか今でもわからない。 近所には歳の離れた子供しかいてへんかったから、よく遊ぶ友達なんていなかった。 俺の中では母親だけが家族やった。 俺の中心やった。 そんな母親にその”ええおじさん”が裸で乗っかっとるのを俺は目撃してしまった。 やけど母親やって嫌がってる雰囲気じゃない。 でも…俺はすごく嫌やった。 母親の上にかぶさるそのおじさんが嫌でしょうがなかった。 異様な光景だとしか思えなかった。 やから俺は…声もかけずにその場から逃げ出した。
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