7/15
前へ
/53ページ
次へ
『泣かないで、サスム。トッキが心配するだろ?』 トッキが心配する その言葉を聞けばまた涙が流れる 逢いたい。 トッキに逢いたい 堰を切った様に流れる涙が白い世界に散らばっていく リンと鈴の様に鳴る、地へと落ちた筈の涙 『サスムは…泣き虫なんだな?』 まるで意外とでも言いたげな言葉と、言葉と共に降ってくる大きな手 頭をグシャグシャと撫でられてる感覚 独りではないと安心した心は拠り所を求める様に受け入れた 僕は…独りじゃなかったんだ 泣き終わるまで撫でてくれる大きな手は、まるで慈しむ様に僕を受け入れてくれていた
/53ページ

最初のコメントを投稿しよう!

257人が本棚に入れています
本棚に追加