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『初めまして。サスム』 何も音の無い世界に聞こえた、僕の名前 勢い良く頭を上げれば軽い目眩と、瞳に入る知らない人 真っ白で…ただ真っ白としか言えない人 『……どちら様…でしょう…?』 生前逢った事のある人? なら記憶にあるはず 記憶の糸を手繰り寄せても見覚えのない人 僕の問いかけに応えない人は…そのまま屈託の無い笑顔を向けてきた まるでヤンの様に無垢な笑顔を。 『サスム、皆此処に集まる。俺が保証するから』 透き通る様な細い声で力強く言われた言葉は、僕の理解力を鈍らせた 誰とか…根拠は、なんて言葉より先に涙が溢れたから
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