カップ麺を侮る勿れ

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   湯を入れて三分待つというカップ麺の常識が、きつねとたぬきに通用しないことを知ったのは恥ずかしながら極最近のことである。  カップ麺の値段を知らなくて袋だたきにされた総理大臣を以前テレビで見かけたが、先程も言ったように私はきつねとたぬきの戦闘能力を把握していなかったため、彼を攻撃する権利を持ち合わせていない。  しかしながら私は思うのだ。  カップ麺の値段を正確無比に答えてみせるほど偏った食生活に浸っている人間が総理大臣になるのも何かおかしいのではないかと。  ずるずるとカップ麺を啜る。  最近のマイブームはチーズカレーヌードルである。ちなみにシーフードは嫌いだ。どうにも受け付けないのだ、あの味は。  ・・・と、濃厚なチーズカレーの味が染み渡ったスープをすすりながら超人気カップ麺を非難してみせる。  事実、シーフードが自分の口に運ばれていたのは一人暮らし初期だけで、今では食卓からでも見える程の大量の買い置きの中にシーフードの姿はない。  そう・・・一人暮らし!  私、森山田優作は一ヶ月前からセルフライフを強いられているのである。
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