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「ねえ、お母さんはどうしたら笑顔になる?
美香お母さんのためならなんだってするよ。」
小さかった私は自分がどうすればいいかなんてわからなかった。
ただただ母を笑顔にさせたかった。
母は優しく微笑んでくれた。
「…ううん。
母さんは美香が元気でいてくれればそれでいいわ。
…ごめんね、構ってあげられなくて…」
私は首を振った。
「美香いい子になるよ!
母さんに心配かけないようないい子になる!」
母の瞳はまた涙でいっぱいになっていた。
母は黙ってまた私を抱きしめてくれた。
私はそれからどんなに辛くても悲しくても絶対に両親の前では笑顔でいるようになった。
いっぱい勉強してなんでも自分でやって両親を安心させようって完璧な私を作り上げた。
そしていつのまにか私は完璧な私という仮面を被っていないといけなくなっていった。
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