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*+。水溜り。+*
どんより灰色の空を濡らす
賑やかな駅前のショーウィンドウを濡らす
私の頬を・・・静かに濡らす
空が泣いているのか、私の心が泣いているのか
たくさんの雫の中に混ざり合う
一粒の雫
頬を伝った時、ほのかに塩辛かった
数時間前は二人で寄り添って歩いたこの道を
数時間後、私は一人で歩いている
華やかな喫茶店の窓ガラスに映し出された私の顔は
活気で溢れている店内とは驚くほど不釣合いで
気づけば、寂しげな空の色と同化していた
私は目を逸らした
窓ガラスから、現実から・・・
ポチャン
足元の大きな水溜りに映し出された灰色の空
いつの間にか、たくさんの雫は止んでいた
だけど、空の色は変わらない
水溜りに映し出された、私の心の中の様に・・・
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