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主語がないままに問い掛けられた言葉にドキリとする。主語なんかなくたって分かる。和泉が聞きたいのは俺と悠也のことだ。
――悠ちゃんといっちゃんが仲良くしてても良いの?
――悠ちゃんと居なくて良いの?
無言で向けられる視線に、ズキリと胸が痛む。自分自信の気持ちが分からない。それ以上に悠也の気持ちが分からない。
なんで悠也は俺が和泉や他のやつと一緒に居ても何も思わない?
俺は思うのに。悠也が俺以外のやつと話してるだけで、胸がぎゅっと締め付けられて、俺らしくもなく泣きたくなって、俺がだんだん弱くなっていくのに。
なんでお前は、俺みたいな気持ちになんないんだよ?
好きなら普通、嫉妬するもんじゃねーのかよ……。嫉妬して、俺だけを見ろって言って、お互いの気持ちを確かめあって。
こんなことなら、付き合わなければ良かった。
そうしたら悠也が俺から離れることはなかった。俺が悠也から離れることもなかった。
今となってはもう遅い。遅いんだ。
もう無理なんだよ、俺達は……。
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