‡失う‡

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時は同じくして… 少年が雨にうたれながら、目の前の重そうな石をずっと眺めていた。 何を考えているのかわからない、生気を持たない目。 その石には、フランス語で「Rafale」と書かれていた。 すぐそばには、少年が供えたらしい、蓮(ハス)の花がある。 そして、その石を見つめる彼の目からも、大粒の雨が降っていた。
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