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「鏡?」
先生がゆっくりと近づいてくる。
私は思わず後退りをした。
謝らなきゃ、謝らなきゃって思うのに何も言えなくて、情けなくて…泣いてしまいそうだ。
今すぐにでも、ここから消えてしまいたいよ…!
ーガタンッ…
「きゃっ!」
後退りを続けていたせいで、後ろに机があることに気づかず当たってしまい、バランスを崩した。
「危ない!!」
「…あれ?」
痛く….ない。
思いっきり瞑っていた目をそっと開けると、先生が私の体を支えてくれていた。
「鏡…大丈夫か?」
どうして…どうしてなの?先生。
昨日、あんなことをして迷惑をかけたのに…どうして優しく話しかけてくれるの?どうして助けてくれるの?
どうして私の心に入り込んでくるの?
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