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「そんなことより。どうしたの?翔子がこんなに早くから学校に来るなんて珍しいね?」
翔子は遅刻の常習犯だ。
ひどい時には、授業が終わる5分前に来る。
注意をしたことはあるけど、欠席はダメだけど遅刻はダメって言われてないじゃん…と、全く悪びれる様子は見られなかった。
彼女は何かを思い出したのか、目を見開いて私の前で飛び跳ね
「そうそう!!今日ね、新しい先生が来るんだって!!担任になるらしいんだけど、若い男性なんだって!!」
と、嬉しそうに言った。
「へー、そうなんだ」
兄貴からの情報だということは、すぐに分かった。
浪江 慎哉(なみえ しんや)。
彼は翔子の双子の兄で、生徒会長をしている。
浪江君も特別進学クラスの生徒なんだけど…翔子と違って、彼は未だに私を敵対視してるみたい。
話しかけても無視されちゃうから、会話した事がないんだよね。
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