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ま、私には全く関係のない話だ。
教師に興味はないし、馨様に似ていないなら尚更興味はない。
そんな事を思いながらしばらく新任について翔子と話しているとチャイムが鳴り、教室の扉が開いた。
―ガラガラ…―
「チャイムが鳴りましたよ。はやく座りなさい。」
入ってきたのは特別進学クラスの担任である葉山先生だった。
勢いよく振り返り、私の顔を見つめる翔子と目を合わせて苦笑していると、葉山先生が眉間にシワを寄せて俯いた。
「実は…先生は結婚をする事になりました。」
先生の突然の一言に教室中がざわつく。
「私は彼の希望で家庭に入ることにしたので、明日からは新任の方が…」
先生が事情を話している間、浪江君以外の生徒は目を輝かせながら扉の方を見ていた。
とくに、翔子の目が輝いている気がする…
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