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―ドキッ…―
なな、何ときめいてるのよ、私!あの人は薫先生であって馨様じゃないんだよ!?
ときめく必要なんて…ないのに…
―ドキッ…ドキッ…―
駄目だ。
先生から目が離せない。
容姿も仕草も…馨様そのものだから。
私の思いに気づいたのか、立ったままだった川瀬が椅子を蹴って教室の扉を開けた。
教室内がざわめく中、心配になった私は立ち上がって川瀬を追いかけようとする。
「ちょっと、かわ…」
しかし、私よりも先に先生が彼の名前を呼んだ。
「川瀬 梁。世界一のギタリストを目指す、大阪出身の1年生。だよね?」
川瀬はゆっくりと振り返って、先生をみた。
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