理想の彼氏。現実の彼氏。

新任。

「何で俺のこと」
「君だけじゃない。ここにいる15人全員の名前や出身地・目指しているものを知っているよ。例えば…君は浪江 翔子。埼玉出身でバレリーナを目指している。違うか？」

そう言って翔子に目を向ける。

翔子は目をハートにしながら、勢い良く頷いた。

「その通りです、薫先生。」

凄い。

顔もちゃんと覚えてきてるなんて…記憶力があるところも馨様に似てる。

私は一瞬、馨様のモデルはこの人なんじゃないかって考えてしまった。
性格は正直、どうにでもなる。漫画家のイメージによって変えるなんて容易いことだ。

だけど…容姿や仕草はそう簡単に似せられるものじゃない。