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「君は2年の…」
先生は川瀬に席に座るようにと言った後、生徒の名前や目指しているものを次々と当てていった。
1つも間違えることなく、正確に。
騒いでいた女子達もそのことに驚いたのか、何も言わなくなった。
学年順に10人・11人・12人と名前が呼ばれ、ついに私の番が来た。
「鏡 瑠衣。漫画家を目指している東京都出身の3年生…だったかな。君には、目標にしている漫画家がいるようだけど。」
「あ…はい。永山 詩せ」
全て言い切る前に、先生が目を見開いた。
「永山詩?」
呟くようにその名前を出したかと思うと、勢いよく私から名簿に目をうつし
「そうか…まだいたのか…」
と言った。
先生の目が泳いでいるように見える。
どういう意味で、その言葉を発したのかは分からないけど…やっぱり、先生とあの漫画は何か関係があるんじゃないかな。
根拠があるわけじゃ無いんだけど…何となく、そんな気がした。
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