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―放課後。
部活に向かおうと、鞄の中に漫画をしまっていると後ろから
「鏡 瑠衣。」
と名前を呼ばれ、私は勢い良く振り返った。
「馨様。」
そこには馨様…に似た、本条先生が立っていた。
先生は軽く笑いながら近づいてくる。私はハッと我に返って、頭を下げた。
先生は馨様のことなんて知らないかもしれないのに…こんな呼び方をしちゃうなんて。
やってしまった。
「ご、ごめんなさい!!私…今のは、えっと」
「薫様、か。先生って呼ばれるよりも優越感に浸れるよ。…なんてな。」
そう言いながら、先生は私の隣の席に座った。
本条先生は、見れば見るほど馨様に似ている。
切れ長の目。
筋の通った鼻。
薄すぎない唇。
少し長めの髪の毛。
スラッと長い足。
どこを見ても、馨様に劣らない完璧な容姿だ。
漫画から飛び出してきたのではないか?と思ってしまうほど…本当にかっこいい。
そんな風に思いながら先生を見ていると、先生も私の顔を見つめ始めた。
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