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時間で言うと二十分ぐらいで篠羅木家に着いた。荷物をどかし、車からでるとさっき家のところ止まっていた引っ越し業者のトラックが止まっていた。荷物を運んでいるようだった。取りあえず今日から住む家を眺める。至って普通の家に見える。僕の家は中廊下型だったが果たしてこの家もそうだろうか?
「葉…ボーッとしてないで荷物を降ろしなさい」
母さんに注意されたので手早く荷物を降ろす。すると母さんは篠羅木家に隣接してる駐車場に車を止めた。車を二台止められる住宅も増えたもんだな。
母さんを待って手分けして荷物を持つと、引っ越し業者が出入りしているため開きっぱなしになっている玄関ドアをくぐった。すると僕は目を疑った。
「あっ、日和さんこんちには。今、父さん呼んできますね」
「よろしくね。“媛菜”ちゃん」
普通に接する母さんを横目に僕はまだ信じられなかった。“篠羅木媛菜”。彼女こそが僕ときょうだいとなる人だったとは。
篠羅木さんは照哉さんを呼ぶため一度リビングに引っ込んだ。
「ねぇ、母さん。篠羅木さんが僕ときょうだいになるの……?」
「そうよ。同じ学校でしょう? 紅葉の制服着てるんだし。仲良くやってね」
半信半疑の僕はただただ唖然としてしまった。まさか僕の学校の生徒会会長ときょうだいになるとは……。だけど忘れないだろう今日という日を。
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