第一章

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「慎吾またやってんの? いい加減捕まんぞ!?」 後ろからノブが声をかける。 「邪魔ねぇって。 てかこれが俺の仕事!?って感じだし!」 俺は手を止めずに返事をした。 この頃の俺はスクラップ置き場から拾ってきた、 ボロボロに錆びた単車のパーツを 鑢で削ってからスプレーでメッキを吹いて、そこら辺のヤンキーに売り飛ばす"個人事業"をしていた。 「てか今日、飲み行きたいんやけどお前空いてる?」 パーツを団扇で扇ぎながらノブが言う。 「いいよ。いつ?」 「いつものコンビニに9時な!! S町行こうぜ!」 S町は隣県にある町で飲み屋街と風俗街が合体した、 この頃の俺達の天国だった。 「了解。」 俺は笑いながら答える。 出来上がったパーツを持って俺は立ち上がる。 「じゃ、俺M店で時間潰すわ。」 ノブはそうゆうと単車に跨る。 ーーー遠ざかるノブの背中を見てると、 あの日の高揚感が少しだけ蘇って来た。ーーー .
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