第一章 突然!幻想入り!?

10/10
前へ
/39ページ
次へ
声のした方を見ると、手を銃の形にして立っている女の子がいた。 ネクタイにブレザー、フレアスカートと、ここまで見ると普通の女子学生だが、一際異色を放つものがあった。それは… 「う、ウサ耳?」 彼女の頭の上にはバニーガールがつけているウサ耳があった。しかしどういう仕掛けか、生きているかのようにピョコピョコと動いているではないか。ウサ耳を凝視していると、 「今のは警告よ。早くここから立ち去りなさい!」 狼男に恐れるどころか啖呵をきって脅している。プライドをいたく傷つけられたのか、狼男はウサ耳少女に飛びかかった。 「あ、危ない!」 そう叫んだが無駄だった。 「警告はしたわよ!?」 銃の形にした手を狼男に向ける。すると、手の近くの何もない空間に銃弾が何発も浮かび上がり、 「BANG!」 少女が言うと、銃弾が狼男に向かって放たれた。銃弾は全て当たったが手加減していたらしく、狼男は鳴き声をあげながら竹林の中に逃げていった。 彼女はふぅと溜め息をつくとこちらを向き手をさしのべた。 「大丈夫?肩から血が流れているけど?」 「あ、あぁ、助けてくれてありがとぅ…」 張りつめていた緊張の糸が切れたのか、自分のいた世界が反転し、目の前が真っ暗になった。
/39ページ

最初のコメントを投稿しよう!

34人が本棚に入れています
本棚に追加