34人が本棚に入れています
本棚に追加
激しく突き飛ばされた体は浮き上がり、すぐに道路に叩きつけられた。
ゴロゴロと道路の上を転がり、仰向けになって止まった。
トラックの運転手の方を見ると顔を真っ青にしていたが、トラックをバックして逃げた。
(くっ、轢き逃げかよ。…まず、体が寒くなってきた)
急速に体温が失われていく。ぶつかったときの衝撃で右半身が潰れたのか右目が全く見えず右手右足どちらとも感覚が無い。
残った左目で少し傾いた太陽を見た。
(あぁ、俺はもう少しで死ぬのかな？まだお義父さんに恩を返せてないのに…)
とか思ってると
｢ごめんなさいね、あちらではこんなものは動いていないから油断していたわ。｣
いつの間にか日傘の女がこちらに来ていて自分の顔を覗いていた。
自分も日傘の女の顔を見ようと思ったが逆光で見えない。
と、ここで女の喋ってたことに疑問を持った。
あちら？この日傘の女はまるで違う世界から来たみたいな言い方をしていた。
｢まぁ、助けてくれてありがとう。お礼にあなたに質問するけど良いかしら？｣
死にかけている俺にか？
まぁ、良いだろうと思い、なんとか頷く。
最初のコメントを投稿しよう！