家賃回収

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「今日は六号から回るか」 オレは階段を昇りながらそう呟く。ちなみに白秋荘は三部屋ずつの二階建てだ。 そして一番奥の部屋である六号室のドアをオレはノックすると「は~い」という女性の声が聞こえ、数秒後にドアが開く。 「あ、白石くん。家賃だよね、はい」 出てきたのは青葉 優(アオバ ユウ) 肩くらいまでの栗色の髪に眼鏡をかけた可愛いらしい彼女はオレのクラスメイトであり、何事においても完璧な少女だ。 そんな優はオレの用件を理解しており、すぐに封筒を差し出してきた。 「あぁ、確かに受け取った。ホントお前はきっちりしてて助かるよ」 封筒を受け取ったオレは中身を確認することなくポケットにしまう。それだけ優に対する信用度は高い。最初に優の部屋から回収に向かった理由でもある。 .
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