章タイトル募集

5/32
前へ
/33ページ
次へ
さてさて。 ここで、この繰り返される殺戮の連鎖を打破する為に、抵抗を、即ち脱出を試みようじゃないか。そうすればきっと……。 そう考えると何だか勇気が湧いてきたよ。成せば成るだよ。頑張れ、僕。 ……、…………、……、…………、……、………………、…………、……。 暗がりの中で、僕は力の限りを振り絞ってのたうち回った。 その姿は醜いだろう。滑稽だろう。でもやれば出来ると信じているんだ。脱出出来る筈なんだ。 『殺さずに済む筈なんだ』 という僕の夢は、所詮叶わぬ夢のまた夢だった。 今考えたら、体を動かすこと自体出来ないんだよ、僕は。 なぜなら、手も無ければ、足も無いのだから。 千切り取られたとか、切り裂かれたとか、そんなんじゃなくて、手足を備え付ける必要性が僕には皆無なんだ。 殺さない為に頑張ろうと思ったのに、残念だよ。抗うことすら出来ないなんて。 成せば成らなかったね。 ふふ。そんな悪態をついても意味はないか。今日はもう寝よう。 明日は、いや明後日は、いや明明後日は、僕に神のご加護があらんことを。アーメン。 お休み。
/33ページ

最初のコメントを投稿しよう!

11人が本棚に入れています
本棚に追加