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ガシャン。ガキンッ。ガチン。
震えるような、軋むような接触音が。僕と亜希子ちゃんが奏でる不協和音が。
部屋中に木霊す。
「うう~。うまくいかないよ~」
額に汗を滲ませ、不服を洩らす亜希子ちゃん。
「ふりゃあ~。おりゃあ~」
それでも頑張る亜紀子ちゃんの姿は、愛らしい。
それにしても。
奴隷の分際でこんなことを思想するのはなんだけど。ご主人様と比べれば、亜希子ちゃんはひょっこ同然だね。不器用だね。
まるで僕のことを扱いきれていない。もっとまともに僕を振らないと、敵は殺せないよ。
……まてよ。もしかすると殺すことを躊躇しているのかも。
なんだ。そうだったのか。そうならそうと先に言ってくれれば 良かったのに。亜希子ちゃんもお人が悪い。
正に子供故の慈愛精神ってところかな。
何にせよ、亜希子ちゃんのおかげで、今日は無益な殺生に手を染めなくて済みそうだ。
『ありがとう亜希子ちゃん』
心から感謝の言葉を送らせてもらうよ。
そう思っていた矢先に、
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