プロローグ

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次の日。 学校には俯いて登校する男子小学生の姿があった。俺だ。 上はおさえめのフリルが付いた青いTシャツ。下はこれまたフリルが付いた膝丈のジーパンに黒いハイソックス。事態を面白がった姉の悪ふざけ満載のコーディネートだった。 もともとくりっとした猫目にくせ毛気味、おまけに小学三年生。(自分でいうのもなんだが)女の子だといわれれば見えなくもない俺は、恰好の笑い者となった訳だ。 皆が可愛いやら髪いじってみようぜなんて騒いでいるのを聞きながら、真っ赤な顔で俯いた少年はこんな時ばかり大人に助けを求める。 昨日あんな話をしたばかりだ、先生ならきっと皆に言ってくれる。 “どんな格好をしても自由” だって。
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