第一章・―そんな妖怪、知らないよ―

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 山崎さんが蔵で恋文を見付けたその日から、身の回りで不可解な出来事が起こるようになったのだ。  最初の日、一通の手紙が届いたそうで、その内容は簡潔にたった一言だけ“忘れないで”、と書かれていたそうだ。  だけど肝心の山崎さんには覚えがない、差出人も不明だという事で、何の考えもなしに捨て置いたそうだった。  それがいけなかったのか、或いはそうしなくてもそれが続いたのかは分からない。  今度は山崎さん本人でなく、彼の家族が何者かに襲われそうになったり。正体不明の相手から、嫌がらせを受けるようになったのだという。
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