第二章・―恋文―

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 探って、勘繰って、事実関係を明らかにして、そこから導き出される真実をその手に掴む事こそが、探偵の最大にして最初の存在意義になるのだ。  だが残念な事に、民間人に出来る事など、頑張ったところでたかが知れている。  どんなに立派な推理で犯人を告発したところで、やっぱり逮捕は警察にしか出来ない。  例え怪しい輩が怪しいモノを持っていようが、警察でない限り、現行犯でないと民間人に逮捕権はないのだ。  そう考えると探偵というものは、小説の中や漫画の中で活躍しているよりも、遥かに地味で地道で過酷な職業ともいえる。
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