第二章・―恋文―

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 それをこの人達は分かっていない。  勿論この人達というのは、探偵事務所の主である四夜と五夜の事である。  別に探偵という職業で、華々しく活躍出来るとも思ってもいないのだろうが。いかんせん呑気なところがあるのだ、この人達は。  俺が今こうして、依頼人の家に押しかけて居間でお茶をすすって、遠慮して縮こまっているのだって。  全ては俺の横でリラックスしまくりの、この人達のお陰で、“直接行って恋文や状況を把握してみないと事件は解決し得ない”という強引且つ、非常識な見解から引き起こされた事態なのだ。
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