第二章・―恋文―

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 否、多分、この人達は何の考えもなしにこんな事をしたりはしない。  という事は、何か裏があるという事……だと思いたい、出来れば。  例えば家の内部状況を探るつもりなら、家人の者に何も告げずにそこへと訪れる時はある。  その方が相手も変に取りつくろわず、慌てているためありのままの姿で対応してしまうからだ。  しかし、今横で欠伸をしたり伸びをしている二人をかんがみるにつけ。どうしてもそんな高尚な考えの下、行動しているとは考え難かった。
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