第一章・―そんな妖怪、知らないよ―

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「何でこの事務所にくる依頼は、普通のものじゃなくなったんだ」  俺が作業をする横で、この事務所の持ち主の一人である、望月四夜(もちづきひろや)が呟いた。  ここは探偵事務所。  ……多分、いたって普通の。  だけど最近、何故だか幽霊や怪奇現象、妖怪が引き起こしている。なんて言われる、非現実的な依頼が増えているらしい。  原因は分かっている。  この事務所からそう遠くないところに設立されている、ここと同じく、望月探偵事務所と呼ばれるものが存在するからに過ぎない。
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