第一章・―そんな妖怪、知らないよ―

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 これがまさに、一番の原因。  同じ名前だからといって勘違いした人達が、ここでも同じように事件を解決してくれるものと思い込んで、俺達には到底解決出来ないような事件ばかりが舞い込むようになったのだ。  勿論、ガセもある。  それでも本物の情報であるのがほとんどで、並の思考の持ち主なら、解決し得ないような案件を引き受けているにも関わらず。  この人達は見かけによらない頭の回転の速さと、弟達、及び弟達が使役する式神の助けを得ながら事件を解決するもんだから、上がらなくても良い評判の方が益々上がり。  今やすっかり、“妖怪探偵”などと称されるまでの存在になってしまっているのだ。
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